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房州びわと山の幸 福原農園は贈答用の房州びわを無農薬で露地栽培している千葉県南房総市富浦町の房州びわ専業農家です。

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原木シイタケが採れるまで

原木しいたけが採れるまで

このページでは、シイタケの原木作り、駒打ち、仮伏せ、本伏せを 経て、シイタケが採れるようになるまでの流れを紹介しています。

ページ内容(ページ内リンク)
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ホダ木の準備  種駒の接種  仮伏せ  伏せ込み   ホダ起こし発生と収穫
  天然シイタケ  倒木シイタケ  菌床シイタケ
シイタケ以外のキノコ


原木しいたけ
原木しいたけ

ホダ木の準備

チェーンソーで玉切り中
原木の運搬
 ホダ木として用いる樹種には、コナラ、クヌギ、ミズナラ、クリ、シイ類、カシ類、シデ類、サクラ類、ヤシャブシ類などがあります。千葉県南部ではシイ類が一番入手が簡単です。また、クヌギの木も上質の原木になります。アベマキの木も使えるらしいのですが、試してみたところ、あまり向いていないようです。(1本もシイタケが出ていません・・・。)福原農園ではシイの木、クヌギの木、サクラの木を主に原木として使用しています。原木はとても重いもので、運搬が大変です。モノレールの脇や道路脇に生えている木を優先的に倒して使用しています。木を倒してからしばらくは、葉がついたままで放置して、木の水分を抜きます(葉干し、といいます。)その後、葉つきの細い枝などを切り落とし、直径10cm以上のものを1m位の長さ(持ち運び可能な重さ)に切ります。太いものは1mの長さにすると重すぎるので、短めに切ります。この作業を玉切りといいます。福原農園では、1〜2月が、びわの仕事が忙しくない時期なので、この時期に原木の準備、種駒の接種をします。原木しいたけを自然栽培するうえで、一番大変なのは、このホダ木の準備です。(重たいので・・・。)最近、ようやくチェーンソーを使うコツがつかめてきたので、作業が早く行えるようになりました。

(↓2020年12月29日の福原農園instagramより↓)

種駒の接種

シイタケの駒打ち
 玉切り後は速やかにシイタケの種駒を接種します。福原農園では、種駒は森産業さんの「森290号」という品種のもの(800駒入りで2600円位)をホームセンターで購入し、使用しています。
原木しいたけの駒
作業しやすい場所までコードリールを伸ばし、作業開始。電動ドリルに、専用の刃を取りつけて穴をあけていきます。普通のドリルの刃でも穴をあけることはできますが、スピードが全然違うので、駒打ち専用の刃(1000円位)を使うといいです。高速で穴を開けることにより、その摩擦熱で原木内の雑菌を殺すため、回転数が高速に固定されているタイプのドリルを使用します。原木をたくさん作る場合は、シイタケの原木に穴をあける、専用のドリル(2万円位)があるので、そちらを使用した方がいいです。(片手で軽々扱え、作業がしやすく、丈夫です。)また、長時間作業をしていると電動ドリルのモーターがやけてしまうので、30分穴あけをしたら、少し時間をおいてモーターを冷ました方がよいです。


シイタケ原木穴あけ用ドリル
原木の縦方向で20cm間隔位、横方向は10cm間隔位で穴をあけていきます。山の中など、電気がないところでは穿孔器(柄の部分は普通木製です。福原農園では柄が折れてしまったので金属製に作り変えています)という、先がとがったハンマーのような道具で穴をあけていきます。穿孔器で穴をあけると、ドリルで穴をあけた時のような、熱による殺菌効果が期待できないため、ドリルが使用できる環境だったらドリルを使った方がいいと思います。福原農園では倒木シイタケを作るとき、この穿孔機を使っています。
原木用穿孔器
穴をあけ終えたら、種駒を一つずつ穴に差し込み、ハンマーで中に打ち込んでいきます。

(↓2018年2月25日の福原農園instagramより↓)

仮伏せ

シイタケの原木の仮伏せ
 
仮伏せは、種菌の水分の過度の減少を防ぎ、活着をよくするために行います。枕木を2本並べ、その上に原木を横積みしていきます。上部はホダ木が乾きやすいので、ホダ化のバラツキを小さくするため、細いものは下部に、太いものは上部、あるいは周辺部に配置します。直射日光が当たらないよう、上に枝をかぶせます。駒打ちしてすぐのときは、多少散水したほうがいいかもしれません。 福原農園では、シイタケの原木の近くで仮伏せをします。そうすることで、シイタケの原木から飛んできたシイタケ菌が、仮伏せしているホダ木にも入っていくからです。福原農園がある千葉県南部では、シイタケ菌の感染力はとても強く、ナメコ、シメジ、クリタケのホダ木がシイタケ菌に感染して、シイタケの原木になってしまうくらいです。そのため、多少いい加減にホダ木を作ってもシイタケの原木になってしまうのですが、他の地域では、もうちょっとちゃんとやった方がいいのかもしれません。

伏せ込み

 仮伏せの状態では風通しが悪く、害菌がつきやすいため、ホダ木を鳥居型、よろい型、ムカデ型、井げた型、合掌型に組み直します。福原農園では時間、場所が足りないため、この作業は行っていません。これも、千葉県南部がシイタケ菌の生育に適している気候条件だから作業を省略できているのかもしれませんので、他の地域ではちゃんとやったほうがいいかもしれません。

ホダ起こし

シイタケ原木のホダ起こし
 接種して、だいたい2回(早ければ1回)夏を越せば、シイタケが出てきます。福原農園では横積みの状態のホダ木を合掌型に組み直します。あまり密に組んでしまうと、シイタケが出てくる空間がなくなってしまったり、収穫時にシイタケを見つけるのに苦労することになるので、ある程度間隔をあけて組んでいきます。最初は、出てくるシイタケは少ないのですが、その分軸が太く、肉厚です。

発生と収穫

原木しいたけ3
乾燥シイタケ作り
シイタケの出荷
シイタケうま煮冷凍
 10〜12月と2〜5月に発生します。雨が降ると水分を吸って、一気に大きくなります。雨の直後はシイタケがやわらかいため、その時期は収穫をできるだけしないようにしています。収穫したシイタケは近くの直売所「ワクワク広場 富浦店」さん、「お百姓市場」さん、「道楽園」さんに置かせてもらっています。お客様にご好評をいただいており、最近は出荷してもお昼頃には売り切れになる日が多いです。需要に対して生産量がまだ少ないので、これからもっと原木を増やしていく予定です。 シイタケがたくさん収穫できたときなどは、醤油、ミリンで煮た「シイタケのうま煮」を作ります。これを冷凍保存しておくことで、一年中シイタケの味を楽しむことができます。

天然シイタケ

天然しいたけ
天然シイタケが出てきました
福原農園周辺はシイタケ栽培に適した気候条件なため、山の中で、天然のシイタケを採ることもできます。しかし、天然のシイタケはとても珍しいもので、見つけるのは大変です。ただ、環境があっているせいか、一か所発生すると、周囲まで瞬く間に勢力を広げていきます。最近は、シイタケが発生している場所の近くの木を倒して駒打ちをし、シイタケの菌が発生しやすいようにしています。原木しいたけとの違いは「傘が開くのが早い」ことです。「繁殖力が強い」と言い換えることもできるかもしれません。天然のものでは原木シイタケに比べて、肉厚なものの割合は低いような気がします。

倒木シイタケ

伐採されたマテバシイ
駒打ち後の倒木
倒木しいたけの発生
 福原農園の山の中は天然のシイタケも生えており、シイタケにとっては環境がよさそうです。そこで、2011年、伐採したマテバシイやクヌギの倒木に直接菌を打ち込んでみました。小型発電機がなく電動ドリルは使えないので、穿孔機を使って菌を打っていきました。シイタケが発生するかはわからなかったのですが、2012年11月、シイタケが倒木から出始めました。肉厚で品質も悪くありません。木を倒して、そのまま菌を打ってシイタケがが出てくるのであれば、かなりの労働が省略できることになります。また、周囲の日当たりも改善でき、活用できていなかった雑木林がシイタケの発生場所として活用できることになります。福原農園のように山林を多くもつ農家にとってはメリットがたくさんあるので、これから倒木シイタケも増やしていきたいと思います。下の動画はびわの防風林のマテバシイを伐採しているところです。現在はこの倒木からもシイタケが出てくるようになっています。

切株から出たシイタケ
伐採した切株の方に、余った駒を打ち込んでおいたら、そこからもシイタケが出始めました。

菌床シイタケ

菌床シイタケの準備
菌床シイタケ
菌床シイタケとは、オガクズ、ぬか、シイタケ菌を、無菌な状態で培養したものから出たシイタケです。福原農園でも、購入して育ててみたことがあります。しかし、味、香り、歯ごたえ、共に原木しいたけの方が優れているようだったので、現在は栽培していません。何か、育て方にコツがあるのでしょうか?もうちょっと勉強して、またいつか再挑戦します。

シイタケ以外のキノコ

ナメコが出ました。
ヒラタケ2
この原木は・・・?
キクラゲ
サルノコシカケ
卵みたいな・・・?
福原農園ではシイタケ以外のキノコの栽培にも挑戦しています。タモギタケ、クリタケ、アラゲキクラゲ、ナメコ、ヒラタケムキタケなどの駒を購入し、マテバシイの原木で試してみました。結果はあまりよくなく、ナメコとヒラタケ(とムキタケ?)だけ、キノコが発生しました。写真のキクラゲは天然のもので、その下はやはり天然のサルノコシカケです。一番下の卵のようなものは、スッポンタケの幼菌(?)だと思われます。

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